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アイオライト・ロード

私の好きなことを話すブログです。 ゲーム、漫画、アニメ、本、映画。 写真とか撮ったりします。
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文フリ札幌入手本【切符】感想

こんばんは。休日は絶対外に出ないなんて思いつつも、気づけば何かこう明るい日光的なものを求めて外に出てしまいますね。
スーパーでゲットしたがぶ飲みレモンクリームソーダなるものがとても美味しかったので、なるべく買いすぎないようにしたいと思います……カルピスのいちごミルクといい、本当に誘惑が多くて……。

閑話休題。本日の感想は、第一回文学フリマ札幌にて入手したタカヤコージ様の「切符」という連作短編ホラーです。
文学フリマのカタログページ

メルカリのページ
をリンクさせていただきます。

十篇からなる短編の最初は「銃声」戦争で徴兵された本好きの元学生、古林がメインとなって話が進んでいきます。
1話目の「銃声」のみ、ほんの少しだけ詳しめに書きますので、ネタバレ注意です。
捕虜が敵部隊に関する情報を吐いたその夜、古林は呼び出されます。目の前には捕虜二人の内の一人。分隊長は古林に捕虜を殺せと命じます。
古林は今まで人を斬ったことすらないのに、捕虜の首に軍刀を落としました。捕虜は一太刀で死ぬことができませんでした。その場は上等兵が介錯をし、捕虜は死んでいきます。
古林は捕虜から目を離せませんでした。
という、最初から胃に鉛を流し込まれたかのような話の重さですが、こんなものではありません。
捕虜が敵軍に関する情報を吐き、進軍を決めた古林の所属する隊は、このあと大変なことになります。絶望の嵐でした。
最後は敵軍のひとりが古林に「切符」を持たせて、彼を撃ち抜きます。

あまりの重さに読み終えてから銃声の世界から抜け出せず、五、六回は読み返しました。

タイトルが「切符」であるからこそ、今後の短編も切符が関わってくるのだろうと思い、夢中でページをめくります。全体での登場人物は多めなのですが、各短編に三人ほどで一話がおさまっているので、人物像がつかみやすく、「ああ、これはこの話に出てきたあの人のことか!」という、読者のみが知りうるその情報は「そうそれ! それはそいつがやったんだ!」と登場人物に思わず教えたくなるほどです。

全ての話が、言葉にできないくらい暗く重い読後感を持って読者をその世界観へ誘っていきます。
十篇を読み終わったあとに残ったのは「続きを読みたい」「一心不乱にその世界観に浸りたい」という気持ちです。

元々巨大掲示板や、時たままとめられる「異世界に行ってきた」といったたぐいの話が好きでして、一時期は読み漁っていたものです。あとから騙されたとわかるものもありますが、世界観が精巧過ぎて、書き込みがリアルすぎて、ひとつも悔しい思いはしませんでした。

切符の次の作品は、切符を持った人たちが向かう先での話のようです。
この続編で私は恐らく、求めていたものを更に深めて得られると考えております。
次回も文フリ札幌に出展なさる予定があれば、絶対に買いに行きます。

タカヤコージ様、よい作品をありがとうございました!

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自己紹介:
札幌で一次創作を中心に活動しています。
心の休憩中。
色々なものが好きです。
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